
はじめに
「投資を始めたいけど何から?」「投資信託って難しそう」と感じていませんか?
実は、投資信託は初心者にこそおすすめの投資方法なんです。少額から始められて、プロに運用を任せられるため、忙しい会社員や投資の知識がない方でも安心してスタートできます。
しかし、何も知らずに始めてしまうと、高い手数料で損をしたり、リスクの高い商品を選んでしまったりと、失敗してしまう可能性も。
この記事では、投資信託の基本から失敗しないための選び方、そして実際に多くの投資家から選ばれている「売れ筋商品ランキングTOP10」まで徹底解説します。この記事を読めば、あなたに最適な投資信託を見つけ、安心して資産形成をスタートできるはずです。
人生100年時代、老後資金2,000万円問題など、将来のお金に対する不安は尽きません。でも大丈夫。正しい知識と適切な商品選びで、着実に資産を増やしていきましょう。
【目次】
- 投資信託とは?知らないと損する基礎知識
- 投資信託の仕組み:プロにお任せで分散投資ができる
- 投資信託のメリット・デメリット
- 投資信託にかかる$\text{3}$種類のコストを理解しよう
- 投資信託で失敗しない!初心者のための選び方$\text{3}$原則
- 原則$\text{1}$:運用コスト(信託報酬)が低い「インデックス型」を選ぶ
- 原則$\text{2}$:投資対象は「全世界株式」または「米国株式」で分散する
- 原則$\text{3}:非課税制度「\text{NISA}$」を活用する
- 【初心者向け】売れ筋投資信託ランキング$\text{TOP}10$
- ランキング$\text{TOP}10$一覧
- ランキング詳細解説($\text{1}位~\text{10}$位)
- 投資信託の「始め方」をステップで解説
- Step1:証券口座を開設する(ネット証券がおすすめ)
- Step2:投資金額と積立方法を決める
- まとめ:知識と低コスト商品で長期的な資産形成を目指そう
投資信託とは?知らないと損する基礎知識

投資信託は、資産形成の強い味方です。まずは基本的な仕組みとメリット・デメリット、そしてコストについてしっかり理解しましょう。
投資信託の仕組み:プロにお任せで分散投資ができる

投資信託とは、多数の投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。
例えば、あなたが10万円を投資したとします。その10万円は他の投資家の資金と合わせて数百億円、数千億円という大きな資金になります。この大きな資金を使って、運用のプロが国内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT)など、さまざまな資産に分散投資してくれるのです。
投資信託の最大のメリットは「分散投資」です。 個人で株式投資をする場合、1社の株を買うには最低でも数万円から数十万円が必要になります。複数の企業に分散投資しようとすれば、数百万円もの資金が必要になることも。
しかし投資信託なら、少額の資金で自動的に数十社、数百社、場合によっては数千社もの企業に分散投資できます。これにより、特定の企業が倒産したり株価が暴落したりしても、ポートフォリオ全体への影響を抑えることができるのです。
さらに、投資のプロが市場動向を分析し、銘柄の選定や売買のタイミングを判断してくれるため、投資の知識や経験がない初心者でも、プロと同じレベルの投資が可能になります。
投資信託のメリット・デメリット

投資信託には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。両面をしっかり理解した上で投資判断をすることが大切です。
【メリット】
1. 少額から始められる 多くの投資信託は100円から1万円程度の少額から購入できます。特にネット証券では100円から積立投資が可能で、お小遣い感覚で投資デビューできるのが魅力です。まとまった資金がなくても、毎月コツコツと積み立てていくことで、長期的には大きな資産を築くことができます。
2. 専門家に運用を任せられる 投資には専門的な知識や経験、そして日々の市場チェックが必要です。しかし投資信託なら、運用会社の専門家が市場分析や銘柄選定、売買タイミングの判断などをすべて行ってくれます。忙しい会社員や主婦の方でも、本業に集中しながら資産運用ができるのです。
3. 分散投資によるリスク低減 前述の通り、投資信託は複数の銘柄に分散投資するため、個別株投資に比べてリスクを抑えることができます。「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言通り、リスク分散は資産運用の基本です。
4. 透明性が高い 投資信託は法律によって厳しく規制されており、運用状況は定期的に報告されます。基準価額(投資信託の値段)も毎日公開されるため、自分の資産がどうなっているか常に確認できます。
【デメリット】
1. 元本割れのリスクがある 投資信託は預金ではなく投資商品です。そのため、運用成績によっては購入時よりも価値が下がり、元本割れする可能性があります。株式市場が暴落すれば、投資信託の価値も大きく下がることがあります。ただし、長期的に保有することでこのリスクは軽減される傾向にあります。
2. コスト(手数料・信託報酬)がかかる 投資信託には様々なコストがかかります。購入時手数料、運用期間中にかかる信託報酬、解約時にかかる信託財産留保額などです。特に信託報酬は保有している限り毎日差し引かれるため、長期投資では大きな差になります。このコストについては次の項目で詳しく解説します。
3. すぐに換金できない場合がある 投資信託は申し込みから実際にお金が振り込まれるまで数日かかります。株式のようにリアルタイムで売買できないため、急にお金が必要になった時に即座に現金化できないことがあります。
4. 運用成績が保証されていない プロに任せるとはいえ、必ず利益が出るわけではありません。市場環境によっては、数年間マイナスが続くこともあります。投資信託はあくまで中長期での資産形成を目的とした商品だと理解しておきましょう。
投資信託にかかる3種類のコストを理解しよう

投資信託で成功するカギは「コストを抑えること」です。たった数%の差でも、長期投資では大きな差になります。ここでは投資信託にかかる3つの主要コストについて詳しく見ていきましょう。
1. 購入時手数料(販売手数料)
投資信託を購入する際に証券会社や銀行に支払う手数料です。かつては購入金額の1〜3%程度が一般的でしたが、最近では「ノーロード」と呼ばれる購入時手数料が無料の投資信託が主流になっています。
例えば、購入時手数料が3%の投資信託に10万円投資した場合、実際に運用に回る金額は97,000円だけ。スタート時点で既に3%のマイナスです。一方、ノーロードなら10万円全額が運用に回ります。
初心者の方は必ずノーロードの投資信託を選びましょう。 SBI証券や楽天証券などのネット証券では、ほとんどの投資信託がノーロードで購入できます。銀行や対面型の証券会社では今でも購入時手数料がかかる商品が多いので注意が必要です。
2. 信託報酬(運用管理費用)
投資信託を保有している間、毎日差し引かれる手数料です。運用会社、販売会社、信託銀行の3者に支払われます。年率で表示されますが、実際には日割りで毎日自動的に差し引かれています。
信託報酬は商品によって大きく異なり、年0.1%程度の超低コストファンドから、年2%を超えるものまで様々です。
なぜ信託報酬が重要なのか? 例を見てみましょう。
- 毎月3万円を20年間積み立て
- 年平均リターン5%と仮定
信託報酬0.1%の場合: 最終資産額は約1,216万円 信託報酬1.5%の場合: 最終資産額は約1,073万円
なんと143万円もの差が生まれます。これは信託報酬という見えないコストが複利で効いてくるためです。
特に長期投資を前提とするNISAでの運用では、信託報酬が年0.5%以下、できれば0.2%以下の商品を選ぶことが成功の秘訣です。
3. 信託財産留保額
投資信託を解約(売却)する際にかかる手数料で、解約金額の0.1〜0.5%程度が一般的です。ただし、最近では信託財産留保額がかからない投資信託も増えています。
この手数料は、他の投資家への影響を抑えるために設定されているもので、頻繁に売買する人に対するペナルティのような性質があります。長期保有を前提とするなら、それほど気にする必要はありませんが、ゼロであればより良いでしょう。
コスト比較の重要性
同じ指数に連動する投資信託でも、運用会社によってコストが異なります。例えば、S&P500に連動する投資信託は複数ありますが、信託報酬は年0.09%から年0.5%以上まで幅があります。
投資信託を選ぶ際は、必ず目論見書や運用報告書でコストを確認しましょう。特に信託報酬は長期的なリターンに大きく影響するため、同じ投資対象なら低コストの商品を選ぶのが鉄則です。
投資信託で失敗しない!初心者のための選び方3原則

数千本もある投資信託の中から、どれを選べば良いのでしょうか?ここでは初心者が失敗しないための3つの原則をご紹介します。
原則1:運用コスト(信託報酬)が低い「インデックス型」を選ぶ

投資信託は大きく「インデックス型(パッシブ型)」と「アクティブ型」の2種類に分けられます。初心者には圧倒的にインデックス型がおすすめです。
インデックス型とは?
インデックス型は、日経平均株価やS&P500などの市場指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資信託です。指数に含まれる銘柄をそのまま機械的に購入するため、運用にかかるコストが非常に低いのが特徴です。
例えば、S&P500連動のインデックス型ファンドなら、S&P500を構成する約500社の株式をほぼ同じ比率で保有します。S&P500が1%上昇すれば、ファンドの価値も約1%上昇します。
アクティブ型とは?
アクティブ型は、ファンドマネージャーが銘柄選定や売買タイミングを判断し、市場平均を上回るリターンを目指す投資信託です。プロの腕に期待する分、調査や分析にコストがかかり、信託報酬は年1〜2%程度と高めです。
なぜインデックス型がおすすめなのか?
理由は明確です。長期的には、ほとんどのアクティブ型ファンドがインデックス型に勝てないからです。
アメリカの調査データによると、15年間の長期で見た場合、S&P500を上回るリターンを出せたアクティブファンドは全体の約10%以下。つまり90%以上のプロが市場平均に負けているのです。
しかもアクティブ型は信託報酬が高いため、市場平均と同じリターンでも、コスト分だけ投資家の手取りは減ってしまいます。
インデックス型のメリット
- 低コスト: 信託報酬が年0.1〜0.3%程度と非常に安い
- 透明性が高い: どの指数に連動するか明確で、運用方針がブレない
- 長期的に優秀な成績: 市場平均のリターンを確実に得られる
- 選びやすい: 同じ指数に連動するファンドなら、コストの安い方を選べばいい
具体例:eMAXIS Slimシリーズ
三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Slim」シリーズは、業界最低水準の信託報酬を目指すインデックス型ファンドのシリーズです。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):信託報酬 年0.05775%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬 年0.09372%
これらは同種のファンドの中でも最低水準のコストを実現しており、長期投資に最適です。実際、NISA口座での買付金額ランキングでも常に上位を占める人気商品となっています。
原則2:投資対象は「全世界株式」または「米国株式」で分散する

インデックス型を選ぶと決めたら、次は「どの指数に連動するファンドを選ぶか」です。初心者には「全世界株式」か「米国株式」のどちらかをおすすめします。
全世界株式(オルカン)の魅力
全世界株式型ファンド、通称「オルカン」(オール・カントリーの略)は、世界中の株式市場に分散投資できる商品です。代表的な指数はMSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)で、先進国と新興国を含む約50カ国、約3,000銘柄に投資します。
オルカンの最大のメリットは「これ一本で世界中に投資できる」ことです。日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドなど、世界中の成長を取り込むことができます。
構成比率は時価総額加重平均で決まるため、自動的に以下のような配分になります:
- 米国:約60%
- 日本:約5%
- 英国:約4%
- その他先進国:約25%
- 新興国:約10%
米国経済が好調なら米国株の恩恵を受け、新興国が成長すれば自動的にその比率が高まります。「どの国が成長するかわからない」という不安を解消できる、究極の分散投資と言えるでしょう。
代表的なファンドは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、純資産総額は4兆円を超え(2024年時点)、日本で最も人気のある投資信託の一つです。
米国株式(S&P500)の魅力
一方、「世界経済の中心はアメリカ」と考えるなら、米国株式に集中投資するのも有力な選択肢です。
S&P500は、アメリカの代表的な500社で構成される株価指数です。Apple、Microsoft、Amazon、Google(Alphabet)、Tesla、Meta(Facebook)など、世界をリードする企業が名を連ねています。
米国株の魅力:
- 過去の実績: 過去30年間で年平均約10%のリターン
- イノベーションの中心: GAFAMをはじめとする世界的企業が多数
- 株主還元の文化: 配当や自社株買いで株主を大切にする企業が多い
- 流動性が高い: 世界最大の株式市場で安定性も高い
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、S&P500に連動する代表的なファンドで、こちらも純資産総額3兆円超の人気商品です。
全世界 vs 米国、どちらを選ぶ?
正解はありません。両方に一長一短があります。
- より分散を重視するなら → 全世界株式
- 米国の成長に賭けるなら → 米国株式
- 迷ったら → 全世界株式(オルカン)が無難
実際には、両方を組み合わせて保有する投資家も多くいます。例えば、全世界株式50%、米国株式50%といった形です。
重要なのは、日本株だけ、新興国だけ、といった偏った投資を避けることです。特定の国や地域に集中すると、その国の経済や政治リスクをダイレクトに受けてしまいます。
原則3:非課税制度「NISA」を活用する

投資信託で資産形成をするなら、NISA(少額投資非課税制度)の活用は必須です。NISAを使わないのは、税金をわざわざ多く払っているようなものと言っても過言ではありません。
NISAとは?
NISAは、投資で得た利益が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託で得た利益には約20%(正確には20.315%)の税金がかかりますが、NISA口座で運用すれば、この税金が一切かかりません。
2024年から新しいNISA制度がスタートし、従来よりも大幅に使いやすくなりました。
新NISA制度の概要
新NISAには2つの投資枠があります:
1. つみたて投資枠
- 年間投資上限:120万円
- 投資対象:金融庁が認めた長期・積立・分散投資に適した投資信託
- 特徴:毎月コツコツ積み立てる方式
2. 成長投資枠
- 年間投資上限:240万円
- 投資対象:上場株式、投資信託(一部除外あり)
- 特徴:一括購入も可能
新NISA制度のポイント:
- 生涯投資上限:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- 非課税保有期間:無期限(いつまででも非課税で保有できる)
- 併用可能:つみたて投資枠と成長投資枠を同時に使える
- 売却後の再利用可能:売却した分の枠が翌年復活する
NISAの驚くべき節税効果
具体例で見てみましょう。
毎月5万円を20年間、年利5%で積み立てた場合:
- 投資元本:1,200万円
- 最終資産額:約2,055万円
- 利益:約855万円
通常の課税口座の場合: 利益855万円 × 20.315% = 約174万円の税金
NISA口座の場合: 税金 = 0円
なんと174万円もの差が生まれるのです!これは旅行に何度も行けるレベルの金額ですね。
NISA口座開設のポイント
NISA口座は一人一つしか開設できません。金融機関の変更は可能ですが手続きが面倒なので、最初から使いやすい証券会社を選ぶことが大切です。
おすすめはネット証券:
- SBI証券: 取扱銘柄数が多く、Vシリーズなど低コスト商品が充実
- 楽天証券: 楽天ポイントが貯まる・使える、画面が見やすい
- マネックス証券: 米国株の取り扱いが豊富
これらのネット証券なら、100円から積立投資が可能で、購入時手数料も無料です。
投資信託 × NISAが最強の組み合わせ
長期の資産形成において、低コストのインデックス型投資信託をNISAで積み立てる方法は、最も合理的で効率的な戦略の一つです。
- プロに任せて分散投資できる(投資信託のメリット)
- 税金ゼロで複利効果を最大化(NISAのメリット)
- 低コストで長期保有(インデックス型のメリット)
この3つが組み合わさることで、着実に資産を増やすことができるのです。
【初心者向け】売れ筋投資信託ランキングTOP10

ここからは、実際に日本で人気の高い投資信託TOP10をご紹介します。多くの投資家に選ばれているということは、それだけ信頼性が高く、実績のある商品だと言えるでしょう。
ランキング早見表
順位 | 銘柄名 | 運用会社 | 投資対象 | 選定理由(初心者におすすめのポイント) |
1位 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 三菱$\text{UFJ}$国際投信 | 全世界株式 | これ一本で世界へ分散投資、低コストの決定版(オルカン) |
2位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 三菱$\text{UFJ}$国際投信 | 米国株式 | 米国の主要企業約500社に投資、高いリターン実績 |
3位 | SBI⋅V⋅S&P500 インデックス・ファンド | $\text{SBI}$アセットマネジメント | 米国株式 | S&P500連動の低コストファンド。$\text{eMAXIS Slim}$に対抗するコストの低さも魅力 |
4位 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 楽天投信投資顧問 | 全世界株式 | VT(Vanguard Total World Stock ETF)に投資するファンド |
5位 | iFreeNEXT $\text{FANG}+$インデックス | 大和アセットマネジメント | 米国株式(ハイテク株) | 高いリターンを狙いたい人向け。リスクは高め |
6位 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 三菱$\text{UFJ}$国際投信 | バランス型 | 株式・債券・$\text{REIT}$などに自動で分散。リスクを抑えたい初心者に |
7位 | ひふみプラス | レオス・キャピタルワークス | 日本株式(アクティブ型) | 日本株に投資する人気アクティブファンド |
8位 | たわらノーロード 先進国株式 | アセットマネジメント$\text{One}$ | 先進国株式 | 日本を除く先進国に低コストで投資できるファンド |
9位 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 三菱$\text{UFJ}$国際投信 | 日本株式 | 日本市場全体(TOPIX)に連動。国内投資をしたい人向け |
10位 | SBI⋅V 全米株式インデックス・ファンド | $\text{SBI}$アセットマネジメント | 米国株式 | 米国市場全体(約4,000銘柄)に広く投資 |
【ランキングの選定基準】
このランキングは以下の基準で選定しています:
- 純資産総額: 大きいほど多くの投資家から支持されている証拠であり、ファンドの安定性も高い
- 信託報酬の低さ: 長期投資において最も重要なコスト効率
- 連動指数のメジャー度: S&P500、MSCI ACWIなど、世界的に認知された指数
- 資金流入額: 実際にお金が集まっている人気度
- NISA買付ランキング: 新NISA制度での人気度
※データは2024年時点の情報を基にしています。
それでは、各ファンドを詳しく見ていきましょう!
1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
運用会社: 三菱UFJ国際投信 投資対象: 全世界株式 連動指数: MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI) 信託報酬: 年0.05775%(税込) 純資産総額: 約4兆5,000億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2018年10月31日
初心者におすすめのポイント
「迷ったらこれ!」と言える、投資信託の王道中の王道です。 通称「オルカン」として投資家の間で親しまれているこのファンドは、これ一本で全世界約3,000銘柄に分散投資できる究極の商品です。
最大の魅力は圧倒的な分散効果。先進国23カ国と新興国24カ国、合計約50カ国の株式に投資しており、地域別では米国約60%、日本約5%、その他先進国約25%、新興国約10%という構成になっています。
「どの国が成長するかわからない」「米国一極集中はリスクが心配」という方にとって、全世界株式は理想的な選択肢です。世界経済全体の成長を取り込むことができ、特定の国や地域のリスクを分散できます。
信託報酬は年0.05775%と業界最低水準。 100万円投資しても年間わずか577円のコストです。eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続ける」ことを方針としており、他社が信託報酬を引き下げれば追随して下げる姿勢を示しています。実際、設定当初は0.15%だった信託報酬が、段階的に引き下げられ現在の水準になっています。
純資産総額は4兆円を突破し、国内投資信託として最大級の規模。多くの投資家から支持され続けている安定性と信頼性があります。
運用実績も申し分なく、過去5年間の年平均リターンは約15%超(2024年時点)。もちろん過去の実績が将来を保証するものではありませんが、世界経済の成長に連動する形でしっかりとリターンを出しています。
NISA口座での買付ランキングでも常に1位か2位を争う人気ぶりで、まさに「国民的投資信託」と呼べる存在です。投資初心者がまず最初に選ぶべき一本と言えるでしょう。
2位:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
運用会社: 三菱UFJ国際投信 投資対象: 米国株式 連動指数: S&P500指数 信託報酬: 年0.09372%(税込) 純資産総額: 約3兆7,000億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2018年7月3日
初心者におすすめのポイント
「世界経済の中心・アメリカに投資したい」という方の決定版。 S&P500は、アメリカの代表的な500社で構成される株価指数で、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。
構成銘柄には、Apple、Microsoft、Amazon、Google(Alphabet)、Meta(Facebook)、Tesla、NVIDIA、Berkshire Hathawayなど、世界をリードする超優良企業がずらり。まさに世界最強企業への投資と言えます。
S&P500の過去のパフォーマンスは驚異的です。過去30年間の年平均リターンは約10%。リーマンショックやコロナショックなどの大暴落を経験しながらも、長期で見れば右肩上がりの成長を続けてきました。
もちろん、「過去のリターンが高い=未来も高い」とは限りません。しかし、アメリカは世界最大の経済大国であり、イノベーションの中心です。AppleやMicrosoftのような企業が次々と生まれる土壌があり、企業の収益力も高い。株主還元の文化も根付いており、配当や自社株買いを通じて株主を大切にする企業が多いのも特徴です。
信託報酬は年0.09372%と非常に低コスト。S&P500に連動するファンドは他にも複数ありますが、その中でもトップクラスの低コストを実現しています。
純資産総額も3兆円を超え、eMAXIS Slim 全世界株式と並ぶ人気商品。投資信託の売れ筋ランキングや、NISA口座での買付ランキングでは常に上位を占めています。
「米国の成長を信じる」「GAFAMなど世界的企業に投資したい」という方には最適な選択です。ただし、全世界株式と比べると地域分散が効いていないため、米国経済の動向に大きく左右される点は理解しておきましょう。
三菱UFJ国際投信は日本最大級の運用会社であり、eMAXIS Slimシリーズは投資家からの信頼も厚い商品群です。迷ったらオルカン、米国重視ならS&P500という選び方で間違いありません。
3位:SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド
運用会社: SBIアセットマネジメント 投資対象: 米国株式 連動指数: S&P500指数 信託報酬: 年0.0938%(税込) 純資産総額: 約1兆5,000億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2019年9月26日
初心者におすすめのポイント
eMAXIS Slim S&P500の強力なライバル登場! SBI証券グループのSBIアセットマネジメントが運用する「SBI・V」シリーズの代表格です。
このファンドの最大の特徴は、バンガード社のETF「VOO」を通じてS&P500に投資する仕組みを採っていること。バンガードは世界最大級の運用会社で、低コスト投資の代名詞的存在。そのバンガードのETFを活用することで、超低コストを実現しています。
信託報酬は年0.0938%と、eMAXIS Slim S&P500の0.09372%とほぼ同水準。まさにコスト競争の申し子とも言える商品で、両者は熾烈な低コスト争いを繰り広げています。
運用開始は2019年と比較的新しいものの、純資産総額は1兆円を突破し、急速に資金を集めています。特にSBI証券ユーザーからの支持が厚く、NISA口座での買付ランキングでも常に上位に位置しています。
SBI証券で投資をする方には特におすすめで、三井住友カードでの積立投資を行えばVポイントも貯まります。2024年からはクレカ積立の上限が月10万円に引き上げられたため、ポイント還元のメリットも大きくなりました。
eMAXIS Slim S&P500との違いは運用手法の差ですが、実質的なリターンやコストはほぼ同じ。どちらを選んでも問題ありません。強いて言えば、普段使っている証券会社や、わずかなコスト差(数銭レベル)で選ぶくらいです。
「米国株に投資したいけど、eMAXIS SlimかSBI・Vか迷う」という方も多いですが、どちらも優良商品なので、好きな方を選んで長期保有することが大切です。両方を半分ずつ保有する必要はありません。
4位:楽天・全世界株式インデックス・ファンド
運用会社: 楽天投信投資顧問 投資対象: 全世界株式 連動指数: FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス 信託報酬: 年0.192%(税込) 純資産総額: 約4,000億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2017年9月29日
初心者におすすめのポイント
楽天証券ユーザーに人気の全世界株式ファンド。 通称「楽天VT」と呼ばれ、バンガード社のETF「VT(Vanguard Total World Stock ETF)」を通じて全世界の株式に投資します。
このファンドの特徴は、eMAXIS Slim 全世界株式よりも投資対象が広いこと。FTSE グローバル・オールキャップ・インデックスは、大型株から小型株まで含めた約9,000銘柄以上をカバーしています。eMAXIS Slimのオルカンが約3,000銘柄なので、3倍近い銘柄数です。
地域配分はオルカンとほぼ同じで、米国約60%、日本約5%、その他の国々に分散されています。小型株も含むことで、より徹底した分散投資が可能になります。
ただし、信託報酬は年0.192%とeMAXIS Slim オルカン(0.05775%)と比べると高めです。この差は長期投資では無視できない金額になるため、純粋にコストを重視するならeMAXIS Slim オルカンの方が有利です。
それでも人気がある理由は、楽天証券との相性の良さと、バンガードETFを通じた投資という安心感です。楽天証券で楽天カードクレジット決済による積立を行えば、楽天ポイントが貯まります(還元率は0.5〜1.0%)。貯まった楽天ポイントは楽天市場でのお買い物や、投資信託の購入にも使えます。
楽天経済圏を活用している方や、「世界中の小型株まで含めて投資したい」という方には選択肢となるでしょう。ただし、コスト重視の長期投資なら、やはりeMAXIS Slim オルカンの方が優位という点は覚えておいてください。
設定日は2017年と比較的早く、eMAXIS Slim オルカンより1年早くスタートしています。純資産総額も4,000億円を超え、安定した運用が期待できます。
5位:iFreeNEXT FANG+インデックス
運用会社: 大和アセットマネジメント 投資対象: 米国株式(ハイテク株中心) 連動指数: NYSE FANG+指数 信託報酬: 年0.7755%(税込) 純資産総額: 約800億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2018年1月31日
初心者におすすめのポイント
ハイリスク・ハイリターンを狙いたい方向けの攻めの投資信託。 FANG+指数は、次世代テクノロジーをリードする米国の主要IT企業10社に均等投資する指数です。
構成銘柄(2024年時点)には:
- Meta(Facebook)
- Apple
- Amazon
- Netflix
- Google(Alphabet)
- Tesla
- NVIDIA
- Microsoft
- Snowflake
- Broadcom
など、誰もが知る世界的ハイテク企業が並びます。これらの企業はAI、クラウド、電気自動車、ストリーミングなど、未来を創る技術を持っています。
このファンドの特徴は均等分散であること。通常のS&P500などは時価総額加重平均なので、大きい企業ほど比率が高くなりますが、FANG+指数は10社に均等(各10%)に投資します。そのため、小さめの企業の成長も取り込みやすい設計です。
過去のパフォーマンスは驚異的で、2018年の設定来、S&P500を大きく上回るリターンを記録してきました。特に2020年のコロナ禍では、テレワークやオンラインサービスの需要急増により株価が急騰。テスラやNVIDIAの株価は数倍に跳ね上がりました。
ただし、リスクも非常に高いことを理解しておく必要があります。ハイテク株は成長期待が高い分、金利上昇や景気後退の局面では大きく下落します。実際、2022年にはFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げによりハイテク株が軒並み急落し、このファンドも大きく値を下げました。
信託報酬も年0.7755%と、インデックス型の中では高めです。これはFANG+指数のライセンス料が含まれているためです。
このファンドをおすすめできるのは:
- すでに安定的な資産(オルカンやS&P500)を保有している
- リスクを取っても高いリターンを狙いたい
- ハイテク企業の成長を信じている
- 投資経験がある程度ある
といった方です。初心者がNISAで最初に買う商品としてはおすすめしません。あくまでポートフォリオの一部(10〜20%)に組み入れる「攻めの商品」として考えるべきでしょう。
6位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
運用会社: 三菱UFJ国際投信 投資対象: バランス型(株式・債券・REIT) 投資配分: 国内株式・先進国株式・新興国株式・国内債券・先進国債券・新興国債券・国内REIT・先進国REIT(各12.5%) 信託報酬: 年0.143%(税込) 純資産総額: 約2,000億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2017年5月9日
初心者におすすめのポイント
「株式だけじゃ怖い」「もう少し安定的に運用したい」という方の救世主。 このファンドは8つの異なる資産に均等(各12.5%)に分散投資することで、リスクを抑えながら安定的なリターンを目指します。
8つの資産とは:
- 国内株式 – 日本の株式市場(TOPIX)
- 先進国株式 – 日本を除く先進国の株式
- 新興国株式 – 中国、インド、ブラジルなど
- 国内債券 – 日本の国債や社債
- 先進国債券 – 米国債など
- 新興国債券 – 新興国の債券
- 国内REIT – 日本の不動産投資信託
- 先進国REIT – 海外の不動産投資信託
この多様な資産配分により、株式が下落しても債券でカバー、景気後退時には債券が強いといった「資産の分散効果」が働きます。
特に債券は株式と逆の値動きをすることが多いため、株式100%のファンドに比べて値動きが穏やかになります。実際、このファンドのリスク(標準偏差)は、全世界株式やS&P500の約半分程度です。
こんな方におすすめ:
- 50代以上で老後資金を運用したい
- 大きな値動きに耐えられない
- 安定的にコツコツ増やしたい
- 株式100%はリスクが高いと感じる
ただし、リスクが低い分、リターンも控えめです。過去のデータでは、長期的に見ると株式100%のファンドの方が高いリターンを得られる傾向にあります。
また、8資産に均等配分するため、好調な資産も不調な資産も同じ比率で保有することになります。「米国株が絶好調なのに12.5%しか持てない」というもどかしさを感じることもあるでしょう。
信託報酬は年0.143%とバランス型としては低コスト。eMAXIS Slimシリーズらしい良心的な価格設定です。
若い方で長期投資をするなら株式100%(オルカンやS&P500)の方がおすすめですが、年齢が高い方や、保守的な運用を好む方には適した選択肢です。
7位:ひふみプラス
運用会社: レオス・キャピタルワークス 投資対象: 日本株式中心(一部海外株式も含む) 運用スタイル: アクティブ型 信託報酬: 年1.078%(税込) 純資産総額: 約4,000億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2012年5月28日
初心者におすすめのポイント
日本を代表するアクティブファンドとして高い知名度を誇る商品。 「ひふみ」という親しみやすい名前で、投資初心者からベテランまで幅広い層に支持されています。
このファンドの最大の特徴は、**ファンドマネージャーが日本の成長企業を発掘して投資する「目利き力」**です。大型株だけでなく、中小型株の中から将来の大化け候補を見つけ出し、株価が安いうちに投資。企業が成長して株価が上がったら売却する、という手法で高いリターンを目指します。
運用責任者の藤野英人氏は、メディア出演も多く、著書『投資家が「お金」よりも大切にしていること』はベストセラーになりました。**「顔が見える運用」**で投資家からの信頼を集めています。
レオス・キャピタルワークスは「ひふみ」専門の運用会社で、運用チームが実際に企業を訪問し、経営者と面談して投資判断を行います。この徹底した調査・分析が「ひふみ」の強みです。
2017年にテレビ番組『カンブリア宮殿』で紹介されたことで爆発的に人気が高まり、純資産総額は一時6,000億円を超えました。
過去のパフォーマンスも優秀で、特に設定来の2012年から2017年頃までは日経平均を大きく上回るリターンを記録。年率20%を超えるリターンを出した年もあり、「アクティブファンドはインデックスに勝てない」という通説を覆す実績を残しました。
ただし、近年はやや苦戦しています。2018年以降、日本株全体の伸び悩みや、資金流入が大きすぎて運用が難しくなったことなどが影響し、TOPIXとほぼ同等か、やや下回るパフォーマンスになっています。
信託報酬は年1.078%と、インデックス型と比べると10倍以上高いコストです。長期投資では、このコスト差が大きな影響を与えます。
このファンドをおすすめできるのは:
- 日本企業の成長を応援したい
- アクティブ運用に魅力を感じる
- 藤野氏の投資哲学に共感する
- すでにインデックス型を保有していて、ポートフォリオに変化を加えたい
といった方です。ただし、投資の基本はやはり低コストのインデックス型です。「ひふみプラス」はあくまで補完的な位置づけと考えるべきでしょう。
それでも、日本を代表するアクティブファンドとして、多くの投資家から愛されている商品であることは間違いありません。
8位:たわらノーロード 先進国株式
運用会社: アセットマネジメントOne 投資対象: 先進国株式(日本を除く) 連動指数: MSCI コクサイ・インデックス 信託報酬: 年0.09889%(税込) 純資産総額: 約1,500億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2015年12月18日
初心者におすすめのポイント
「日本を除く先進国」に投資したい方のためのファンド。 MSCI コクサイ・インデックスは、日本を除く先進22カ国の大・中型株約1,300銘柄で構成される指数です。
地域配分は米国が約70%、その他はヨーロッパ(英国、フランス、ドイツなど)やカナダ、オーストラリアなどの先進国です。実質的には「米国+その他先進国」というイメージです。
「たわらノーロード」シリーズは、アセットマネジメントOneが運用する低コストインデックスファンドのシリーズで、購入時手数料無料(ノーロード)が特徴です。
信託報酬は年0.09889%と非常に低コスト。eMAXIS Slimシリーズには及びませんが、十分に低い水準です。アセットマネジメントOneは、みずほフィナンシャルグループ、第一生命、明治安田生命などが出資する国内最大級の運用会社で、安定性も高いです。
このファンドの魅力は「日本を除く」という点です。なぜ日本を除外するのでしょうか?
理由は:
- 日本株は既に給料(円)で受け取っているので、投資まで日本に集中させたくない
- 日本経済の成長率は先進国の中で低い
- 通貨分散の観点から外貨資産を持ちたい
といった考え方があります。実際、日本人の多くは、給料も年金も不動産も日本円建てです。そこに投資まで日本株中心だと、「日本リスク」に過度に集中してしまいます。
とはいえ、初心者には「全世界株式(オルカン)」の方が分かりやすく、無難です。オルカンなら日本株も5%程度含まれており、バランスが取れています。
「たわらノーロード 先進国株式」は、やや中級者向けの商品と言えるでしょう。すでに日本株を個別で保有している方や、明確に「日本は除外したい」という意図がある方に適しています。
純資産総額は1,500億円を超え、安定した運用が続けられています。eMAXIS Slimほどの派手さはありませんが、堅実で信頼できるファンドです。
9位:eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
運用会社: 三菱UFJ国際投信 投資対象: 日本株式 連動指数: TOPIX(東証株価指数) 信託報酬: 年0.143%(税込) 純資産総額: 約500億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2017年2月27日
初心者におすすめのポイント
「やっぱり日本の企業を応援したい!」という方のための日本株ファンド。 TOPIXは東京証券取引所プライム市場に上場する約2,000社で構成される指数で、日本の株式市場全体の動きを表します。
構成銘柄にはトヨタ自動車、ソニーグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、キーエンス、ソフトバンクグループなど、日本を代表する企業が含まれます。
このファンド一本で、日本の主要企業ほぼすべてに投資できるのが魅力です。個別株で日本企業に投資しようとすると銘柄選びが大変ですが、TOPIXに連動するファンドなら、日本市場全体に投資できます。
信託報酬は年0.143%と、国内株式ファンドとしては最低水準。eMAXIS Slimシリーズらしい低コストです。
ただし、初心者にあえて日本株ファンドをおすすめするかと言えば、答えはNOです。理由は以下の通り:
- 成長性が低い: 日本の人口は減少しており、経済成長率も先進国の中で最低水準
- すでに日本リスクに晒されている: 給料、年金、不動産など、資産の多くが既に日本円
- グローバル企業への投資機会を逃す: AppleやAmazonなど、世界的企業に投資できない
過去30年間のパフォーマンスを見ても、S&P500が約10倍になったのに対し、TOPIXは横ばいです。1989年のバブル期の水準をようやく超えたばかりという状況です。
それでも日本株ファンドを選ぶ理由があるとすれば:
- 為替リスクを避けたい(円建て資産を持ちたい)
- 日本企業を応援したい愛国心
- 既に米国株や全世界株式を保有していて、バランスを取りたい
といったケースです。
最近では日本企業も企業統治改革が進み、株主還元を強化する動きが出てきています。PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業に対し、東京証券取引所が改善を求めるなど、構造改革も進んでいます。今後の成長に期待する見方もあります。
基本はオルカンやS&P500、日本株はオプションという位置づけで考えるのが良いでしょう。
10位:SBI・V 全米株式インデックス・ファンド
運用会社: SBIアセットマネジメント 投資対象: 米国株式 連動指数: CRSP USトータル・マーケット・インデックス 信託報酬: 年0.0938%(税込) 純資産総額: 約3,000億円以上(2024年10月時点) 設定日: 2021年6月29日
初心者におすすめのポイント
「米国市場全体に投資したい」という欲張りな方にぴったり! このファンドは、バンガード社のETF「VTI(Vanguard Total Stock Market ETF)」を通じて、米国株式市場のほぼ100%(約4,000銘柄)に投資します。
S&P500が米国の大型株約500社なのに対し、このファンドは大型株から小型株まで含めた米国市場全体をカバー。「米国の成長を余すことなく取り込みたい」という方に最適です。
構成比率は時価総額加重平均なので、実際には大型株が約80%以上を占め、S&P500とかなり似た動きをします。それでも残り20%に小型株が含まれることで、より幅広い分散効果が得られます。
小型株は大型株に比べて成長余地が大きく、将来の大化け候補が含まれている可能性もあります。AppleやAmazonも昔は小型株だったことを考えれば、その魅力が分かるでしょう。
信託報酬は年0.0938%と超低コスト。SBI・V・S&P500とほぼ同じ水準で、長期投資に適しています。
設定日は2021年と比較的新しいものの、純資産総額は既に3,000億円を超え、急速に人気を集めています。特にSBI証券ユーザーからの支持が厚く、NISA口座での買付ランキングでも上位に入っています。
S&P500 vs 全米株式、どちらを選ぶ?
正直なところ、長期的なリターンにはほとんど差がありません。過去のデータでも、両者のパフォーマンスは非常に似通っています。
- S&P500: シンプルで分かりやすい、世界的に有名な指数
- 全米株式: より広範囲に分散、小型株の成長も取り込める
どちらを選んでも大きな違いはないので、直感で気に入った方を選べばOKです。
ただし、「米国一択」という選択自体がやや偏っている点は意識しておきましょう。米国が今後も世界経済をリードし続ける保証はありません。地域分散を考えるなら、やはり全世界株式(オルカン)が最も安全です。
それでも「米国の成長力を信じる」「GAFAMなどイノベーション企業に投資したい」という明確な意思があるなら、SBI・V 全米株式は excellent な選択肢です。
【流れを解説】投資信託の「始め方」

ここまで読んで「よし、投資信託を始めよう!」と思った方へ。実際の始め方を具体的にご説明します。思っているより簡単なので、安心してください。
Step1:証券口座を開設する(ネット証券がおすすめ)
投資信託を購入するには、まず証券口座を開設する必要があります。銀行でも購入できますが、圧倒的にネット証券がおすすめです。
ネット証券をおすすめする理由:
- 購入時手数料が無料(ノーロード)の商品が多い
- 取扱商品数が圧倒的に多い – 数千本の投資信託から選べる
- 最低投資金額が少ない – 100円から積立可能
- 画面が見やすく、操作が簡単 – スマホアプリも充実
- ポイントが貯まる・使える – 楽天ポイント、Vポイント、Pontaポイントなど
一方、銀行や対面型証券会社では:
- 購入時手数料が1〜3%かかることが多い
- 取扱商品が限定的(高コスト商品が多い)
- 最低投資金額が1万円からなど高め
- 営業マンに高コスト商品を勧められるリスク
おすすめのネット証券TOP3:
1. SBI証券
- 口座開設数No.1(1,000万口座超)
- 取扱投資信託数:約2,600本以上
- 最低投資額:100円から
- ポイント:Vポイント、Pontaポイント、dポイントなど選べる
- クレカ積立:三井住友カードで月10万円まで(ポイント還元0.5〜5%)
- 特徴:SBI・Vシリーズなど独自の低コストファンドが充実
2. 楽天証券
- 口座開設数:約900万口座
- 取扱投資信託数:約2,600本以上
- 最低投資額:100円から
- ポイント:楽天ポイント(貯まる・使える)
- クレカ積立:楽天カードで月10万円まで(ポイント還元0.5〜1%)
- 特徴:画面が見やすく初心者に優しい、楽天経済圏との相性抜群
3. マネックス証券
- 取扱投資信託数:約1,600本以上
- 最低投資額:100円から
- ポイント:マネックスポイント(Amazonギフト券などに交換可)
- クレカ積立:マネックスカードで月10万円まで(ポイント還元1.1%)
- 特徴:米国株の取扱が充実、クレカ積立のポイント還元率が高い
NISA口座の申し込みも同時に!
証券口座を開設する際は、必ずNISA口座も同時に申し込みしましょう。NISA口座は一人一つしか開設できず、金融機関を変更するのは手間がかかります。
口座開設の流れ:
- ネット証券の公式サイトにアクセス
- メールアドレスを登録
- 本人確認書類をアップロード(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 個人情報を入力
- NISA口座開設にチェック
- 審査完了(最短翌営業日)
最近は「スマホで完結」する口座開設が主流で、郵送のやり取りなしで最短翌営業日に取引開始できます。マイナンバーカードがあれば本人確認も簡単です。
どの証券会社を選ぶべき?
正直なところ、SBI証券と楽天証券ならどちらを選んでも大きな差はありません。決め手となるのは:
- 楽天経済圏を使っている → 楽天証券
- 三井住友カードを持っている → SBI証券
- クレカ積立の還元率重視 → マネックス証券
普段使っているポイントや、持っているクレジットカードで選ぶのが実用的です。迷ったら口座開設数No.1のSBI証券が無難でしょう。
投資金額と積立方法を決める

口座開設が完了したら、いよいよ投資スタートです。ここで決めるべきは「いくら投資するか」と「どのように投資するか」です。
投資金額の決め方
投資は無理のない金額から始めることが鉄則です。生活費を削ってまで投資する必要はありません。
目安としては:
- **手取り月収の10〜20%**を投資に回す
- 生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)は現金で確保しておく
- 無理なら月1,000円からでもOK
例えば手取り月収25万円なら:
- 生活費:月20万円
- 貯金(生活防衛資金):月2万円
- 投資:月3万円
というイメージです。
「月100円でも意味があるの?」と思うかもしれませんが、大いにあります! 投資で最も大切なのは「習慣化」です。少額でも投資を始めることで:
- 投資への心理的ハードルが下がる
- 市場の値動きを体感できる
- 徐々に金額を増やしていける
まずは月1,000円〜3,000円程度から始めて、慣れてきたら徐々に増額するのがおすすめです。
積立投資が最強の理由
投資信託は**積立投資(ドルコスト平均法)**で購入するのが基本です。毎月一定額を自動的に購入する方法で、以下のメリットがあります:
1. 感情に左右されない 「今は高いから待とう」「もっと下がるかも」といった感情を排除し、機械的に投資できます。投資のタイミングを計ろうとして失敗する人は多いですが、積立投資ならその心配がありません。
2. 時間分散でリスク軽減 高値で一括購入してしまうリスクを避けられます。価格が高い時は少なく買い、安い時は多く買うことで、平均購入単価を平準化できます。
3. 少額から始められる まとまった資金がなくても、毎月コツコツ積み立てられます。
4. 複利効果を最大化 早く始めるほど、複利の力が働きます。
具体例:積立投資のシミュレーション
毎月3万円を年利5%で積み立てた場合:
- 10年後: 元本360万円 → 約465万円(+105万円)
- 20年後: 元本720万円 → 約1,233万円(+513万円)
- 30年後: 元本1,080万円 → 約2,497万円(+1,417万円)
30年間で1,417万円も増える計算です。これが複利の力です。
積立設定の手順
ネット証券での積立設定は驚くほど簡単です:
- ログイン後、「投資信託」メニューを選択
- 購入したいファンドを検索(例:eMAXIS Slim 全世界株式)
- 「積立購入」ボタンをクリック
- 積立金額を入力(例:月30,000円)
- 積立日を選択(毎月1日、毎月10日など)
- クレジットカード決済を選択(ポイントが貯まる!)
- NISA口座を選択(つみたて投資枠)
- 内容確認して「設定」
これで完了! あとは毎月自動的に購入されます。一度設定すれば、あとは放置でOKです。
おすすめの積立設定例
【初心者向け・シンプルプラン】
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):月30,000円
- NISA:つみたて投資枠
これだけ。シンプルイズベスト。迷ったらこれで間違いありません。
【米国重視プラン】
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):月30,000円
- NISA:つみたて投資枠
米国の成長を信じるならこちら。
【バランス型プラン】
- eMAXIS Slim 全世界株式:月20,000円
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):月10,000円
- NISA:つみたて投資枠
両方持ちたい方はこの配分も。ただし、オルカンには既に米国が60%含まれているので、やや米国比率が高くなります。
【保守的プラン】
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型):月30,000円
- NISA:つみたて投資枠
リスクを抑えたい方向け。50代以上におすすめ。
長期・積立・分散の重要性を再確認
金融庁も推奨する「長期・積立・分散」は、資産形成の王道です。
- 長期: 20年以上の長期保有で、元本割れリスクが大幅に低下
- 積立: タイミングを分散し、感情に左右されない投資
- 分散: 複数の国・資産に分散してリスク軽減
この3つを守れば、投資初心者でも着実に資産を増やせます。
絶対にやってはいけないこと
× 短期で売買を繰り返す × 値動きに一喜一憂する × SNSやYouTubeの情報に踊らされる × 高コストのアクティブ型ばかり買う × レバレッジ型など複雑な商品に手を出す × 投資資金を借金で用意する
投資は**「退屈なくらいがちょうどいい」**のです。毎月自動積立して、あとは放置。年に1〜2回だけ資産をチェックする。これが成功への近道です。
まとめ:知識と低コスト商品で長期的な資産形成を目指そう

ここまで、投資信託の基礎知識から、失敗しないための選び方、売れ筋ランキングTOP10、そして実際の始め方まで詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめます。
投資信託で成功するための5つの鉄則
1. 低コストのインデックス型を選ぶ 信託報酬は年0.2%以下、できれば0.1%以下の商品を。eMAXIS SlimシリーズやSBI・Vシリーズなら間違いありません。たった数%の差が、30年後には数百万円の差になります。
2. 全世界株式または米国株式で分散する 特定の国や地域に偏らず、幅広く分散投資。初心者は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」一本で十分です。
3. NISAを最大限活用する 利益が非課税になるNISAは使わなきゃ損。年間120万円(つみたて投資枠)をフル活用し、税金ゼロで資産形成しましょう。
4. 長期・積立・分散を守る 短期売買はNG。毎月コツコツ積み立て、20年以上の長期で保有。これが資産形成の王道です。市場が暴落しても慌てて売らず、むしろ「安く買えるチャンス」と考えましょう。
5. 感情に左右されない 投資で最大の敵は自分自身の感情です。暴落時に怖くなって売ってしまう、高騰時に欲が出て買い増ししてしまう。こうした感情的な行動が失敗を招きます。一度設定したら放置する勇気を持ちましょう。
今日から始める具体的なアクションプラン
投資は「いつか始めよう」と思っているうちは始められません。今日から行動しましょう。
【今週中にやること】
- SBI証券または楽天証券の口座開設申し込み(15分)
- NISA口座も同時に申し込み
- この記事を読み返して、購入する商品を決める
【口座開設後すぐにやること】
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の積立設定
- 月5,000円〜30,000円の無理のない金額で設定
- クレジットカード決済を選択(ポイントGET!)
- NISA口座(つみたて投資枠)を選択
【その後やること】
- 放置!(年に1〜2回だけ資産をチェック)
- 余裕ができたら積立金額を増やす
- ボーナス時は成長投資枠でスポット購入も検討
初心者にまず買ってほしい一本
「結局、何を買えばいいの?」という方へ。
答えは明確です:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 世界中に分散投資できる
- 業界最低水準の超低コスト(年0.05775%)
- 純資産総額4兆円超の安定性
- NISA買付ランキング常に上位
まずはこの一本を月5,000円からでも始めてください。「投資を始める」という最初の一歩が、あなたの人生を大きく変える可能性があります。
30年後の自分への最高のプレゼント
投資信託での資産形成は、30年後の自分へのプレゼントです。
月3万円を30年間、年利5%で積み立てれば、約2,500万円の資産になります。これは老後2,000万円問題を解決し、ゆとりある老後生活を実現する金額です。
一方、何もせずに銀行預金だけなら、30年後も元本1,080万円のまま。インフレを考えれば実質的には目減りしています。
「あの時、投資を始めておけばよかった」
こう後悔する人は本当に多いです。でも大丈夫。今日が人生で一番若い日。今から始めれば、まだ十分に間に合います。
人生100年時代、長く豊かに生きるためには、お金の不安を減らすことが大切です。投資信託は、その強力な味方になってくれます。
最後に:投資は怖くない、知らないことが怖い
「投資は怖い」「損するかもしれない」
そう思う気持ちは分かります。でも、本当に怖いのは投資そのものではなく、正しい知識がないことです。
この記事で学んだ知識があれば、もう大丈夫。低コストのインデックス型をNISAで積み立てる。これだけで、あなたは多くの投資家より賢い選択をしています。
銀行や証券会社の窓口で、高コストの商品を勧められても断れます。SNSで怪しい投資話を見ても、騙されません。市場が暴落しても、冷静に対処できます。
知識は最強の武器です。
さあ、一歩を踏み出しましょう
長い記事をここまで読んでくださり、ありがとうございました。あなたはもう、投資信託の基礎知識と、成功するための方法を手に入れました。
あとは行動するだけ。
スマホを手に取り、SBI証券か楽天証券のサイトにアクセスしてください。口座開設申し込みを完了させてください。そして、最初の積立設定をしてください。
その一歩が、あなたの人生を変える大きな一歩になります。
10年後、20年後、30年後の自分が「あの時始めておいてよかった」と笑顔で言えるように。
今日から、投資信託で資産形成をスタートしましょう!
※本記事の情報は2025年時点のものです。信託報酬や制度内容は変更される可能性がありますので、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
※投資にはリスクが伴います。必ず余裕資金で行い、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
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